骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、骨の内部がスカスカになって骨の強度が低下して、ちょっとした衝撃でも骨折しやすくなる状態です。骨は常に古い骨が壊され、新しい骨が作られるという新陳代謝(骨代謝)を繰り返していますが、年齢とともにこのバランスが崩れて、骨の形成よりも吸収が優位になることで骨密度が低下します。 骨密度は20~30歳頃にピークを迎えて、その後、徐々に減少していきます。特に女性は閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少するため、50歳前後から骨量の減少が加速します。
骨粗鬆症のリスク
以下のような方は骨粗鬆症のリスクが高いとされています。
- 女性の方(特に閉経後)
- ご高齢の方
- ご家族に骨粗鬆症や骨折歴がある方
- 低体重やダイエットを繰り返している方
- カルシウム摂取量が少ない方
- 運動不足の方
- 喫煙習慣のある方
- アルコールを多量に摂取する方
- ステロイド薬を長期服用している方 など
骨粗鬆症の症状
骨粗鬆症自体には痛みなどの自覚症状はほとんどありません。そのため、以下のような状態になってから初めて気づくことが多いです。
- 身長が縮む
- 背中や腰が曲がってくる
- 軽い衝撃で骨折する(特に背骨や手首、太ももの付け根など)
- 背中や腰に痛みが出る(骨折によるもの) など
症状がないまま進行するため「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれ、定期的な検査による早期発見が重要です。
骨粗鬆症の検査
神戸市北区の藤原台にしむらクリニックでは、MD法による骨密度測定を行っています。MD法は、手の第2中手骨(人差し指の付け根の骨)の骨密度を測定する方法で、簡便に骨粗鬆症のスクリーニングができます。 検査は痛みもなく短時間で終わりますので、どなたでも気軽に受けることができます。
骨粗鬆症の予防と治療
食事療法
骨の健康を保つためには、以下の栄養素を十分に摂取することが大切です。
- カルシウム:乳製品、小魚、海藻、大豆製品、緑黄色野菜など
- ビタミンD:魚(特に青魚)、きのこ類、卵黄など
- ビタミンK:納豆、緑黄色野菜など
- たんぱく質:肉、魚、卵、大豆製品など など
運動療法
骨に適度な負荷をかけることで、骨密度の低下を防ぐことが可能になります。
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- 階段の上り下り
- スクワットなどの筋力トレーニング など
薬物療法
骨粗鬆症と診断された場合や、骨折リスクが高いと判断された場合には、薬物療法を行うことがあります。主な薬剤としては以下のようなものがあります。
- 骨吸収抑制薬:ビスホスホネート製剤、SERM(選択的エストロゲン受容体調節薬)など
- 骨形成促進薬:テリパラチド製剤など
- カルシウム製剤
- ビタミンD・K製剤 など
患者様の年齢、性別、骨密度、骨折リスクなどを考慮して、適切な薬剤を選択します。
骨粗鬆症の予防が大切な理由
一度自分の「骨年齢」を調べてみませんか?
骨粗鬆症による骨折は、特にご高齢の方のQOL(生活の質)を大きく低下させます。特に太ももの付け根(大腿骨頚部)の骨折は、寝たきりや要介護状態の原因となることが多く、日本では寝たきりになる原因の約10%が骨折によるものとされています。「予防」の観点から、自分の骨の状態を知ることが大切です。当院では骨密度測定を通じて、骨粗鬆症の早期発見・予防をサポートしています。